ドバイ（アラブ首長国連邦）における法人税とは？【分かりやすく解説】

「ドバイに法人税がないのは本当？」
「どこでお金を取っているの？」
「法人税がない理由は？」

と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
本記事を読めば、ドバイにおける法人税や日本との差、お金の徴収方法について理解できます。

こんな方におすすめ

ドバイの法人税について知りたい！

ドバイの法人税
- 2023年6月より法人税が導入
- ドバイと日本の法人税の差
なぜドバイは法人税がないのか
法人税がないのに国が成り立つ理由
まとめ

ドバイの法人税

結論として、ドバイの法人税は0円です。厳密には、法人税という制度自体は存在しているものの、実際には徴収されないという状況になっています。

しかし、アラブ首長国連邦（以下、「UAE」）の財務省（以下、「MoF」）は、2022年12月9日に法人税制を規定する「法人及び事業者の課税に関する連邦法2022年第47号（Federal Decree-Law No. 47 of 2022 on the Taxation of Corporations and Businesses）」を公表しました。

2023年6月より法人税が導入

これまでは法人税が0円でしたが、今後法人税が徴収されることになりました。
これからドバイ進出を考えている方は、どのような影響があるか気になるところではないでしょうか。

■適用年度
2023年6月1日以降から開始する事業年度より適用開始。つまり、2023年6月1日から2024年5月31日が事業年度となる起業には法人税が適用されます。

■法人税率

対象企業	年間課税所得＞37万5000AED（約1125万円）	年間課税所得＜37万5000AED（約1125万円）
法人税率	9％	0％
場所	国内	国内外

上記のように、課税対象となるのは年間所得が375,000AED（約1125万円）を超えるUAE国内の企業で、UAE国内（メインランド）との取引がある場合に限られます。

また、個人所得は課税対象とはなりません。

これからドバイ進出を行い、初年度から約1125万円以上を売り上げるという方は頭に入れておく必要があるでしょう。

詳細は以下を参考にしてください。

参考：政府が法人税の施行規則を発表(アラブ首長国連邦) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース – ジェトロ

ドバイと日本の法人税の差

税率が低いことからドバイはタックス・ヘイブン（税金天国）として有名ですが、日本と比較すると大きな違いがあることが分かります。

「タックス・ヘイブン」とは課税が完全に免除されたり、著しく軽減されたりしている国や地域のことを指します。

日本の法人税率を30％、売上が100億円と仮定します。

	売上	税率	資産	差額
ドバイ	100億円	0％	100億	+1.43倍
日本	100億円	30％	70億	–

上記のように、1.43倍の差がでます。
こちらは年間での表なので、これが継続するとかなりの額になることは言うまでもないでしょう。

このように法人税だけを見てもドバイと日本の差は歴然です。

なぜドバイは法人税がないのか

ではなぜ、ドバイは法人税がないのでしょうか。

それは、1990年代モハメッド首長により「世界一」を目指す都市開発プロジェクトに理由があります。

ドバイが属するアラブ首長国連邦（UAE）は7つの首長国から成り立ちます。もともとドバイは経済的に貧しかったため、首都となっているアブダビから支援を受けていました。そんなアブダビからの脱却のために、ドバイを世界一の観光・商業スポットにしようと始まったのが、プロジェクトです。

まとめると、ドバイを世界一の観光・商業スポットにするために、税金を安くすることで、国外から人・もの・金を呼び集めたということです。

法人税がないのに国が成り立つ理由

ドバイには法人税を含む税収の代わりに、手数料というものが存在しています。

アパート（年間）：賃借料の5％

事業資産（年間）：賃借料の5％

ホテル、レストラン、娯楽施設：7％
※ホテル施設等の宿泊客には、別途1室1泊当たり7～20ディルハムのツーリズム・ディルハム（宿泊手数料）が上限30日分について課せられる。

アルコール：30％（消費税）※2023年1月1日から1年間、徴税を停止。

引用：税制 | アラブ首長国連邦 – 中東 – 国・地域別に見る – ジェトロ

そのほか、付加価値税（VAT）や物品税などの詳細も以下から確認ができるので、参考にしてください。